匁の閑話

1匁は五円玉1枚の重さ。ささやかな私のささやかな呟き。

# プロフィール

Author:匁
2015年、札幌市から埼玉へ移住。

旅行記→車中泊とLCCで格安旅行

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高田郁にぞっこん

たかだ かおる。作家。
お馴染み 「みをつくし料理帖」で、人気は不動のものとなった。

作品のほとんどが時代小説の中、現代小説の1冊を発見。
その名「ふるさと銀河線 軌道春秋」
タイトルの「ふるさと銀河線」は、北海道のちほく高原鉄道ふるさと銀河線」のこと。
日本一寒い町・北海道 陸別町を舞台とした本作を含む、9つの短編が収録されている。
鉄道絡みの話であることが共通項。

いづれも、高田ワールド全開のほっこりする話ばかり。

「車窓家族」は、毎日乗る電車の車窓から一瞬 見えるささやかな老夫婦の暮らし。
それを、行きずりの乗客たちが夫々に心配し、心の中で見守る話。
「ムシヤシナイ」は、受験競争の中 自らを追い詰めてしまった孫に、
駅蕎麦で働く祖父が夜食の蕎麦を作ってやりながら語りかける。
「虫養い、という言葉が大阪にはあるんや。
軽るうになんぞ食べて、腹の虫を宥めとく、言う意味や」
祖父の言葉が、ずしりと重い。

あとがきで作者は言う。
「生きにくい時代です。辛いこと、悲しいことが多く、幸福は遠すぎて
明日に希望を見いだすことも難しいかもしれない。
それでも、遠い遠い先にある幸福を信じていたい。
そんな思いを本編の主人公に託しました。
今を生きるあなたにとって、この本が少しでも慰めになれば、と思います。
あなたの明日に、優しい風が吹きますように」

高田郁氏の前身は、漫画原作者。
順境にはない人々への思いが、とても温かい。
その人たちの孤独・寂しさ・切なさが、温かい筆致で淡々と書き込まれていた。
どの作品も、著者の痛む者への優しい眼差しが、慈しみに溢れ心に深く深く滲みる。
時代小説の名手であることは、言うを待たないが、
現代小説も又、心をほってりと温めてくれる。

人は高田郁の作品を、心のビタミンと言う。
この作品を手にして、数時間で読了してしまった。
満ち足りた読後感に包まれながらも、
未読作がひとつ減ってしまい、手持ちのビタミンをひとつ喰ってしまった喪失感が否めない。

「山中伸弥先生に人生とiPS細胞について聞いてみた」

人気子役・芦田愛菜ちゃん一押しの一冊。
山中先生が周囲の助けも得て、iPS細胞を作り出すまでの紆余曲折の記。
先生の座右の銘は「人間万時塞翁が馬」。
「じんかんばんじさいおうがうま」とも読むことを、愛菜ちゃんにより知った。
人間(じんかん)は、にんげんの意味ではなく、世間の意味だそうな。

私は、学生時代に化学式を見ただけで頭がくらくらする程の非理系人間。
文系の私に解るかな?不安。
とは言え、9歳の愛菜ちゃんが読んだなら私に読めない筈がないだろう。
処が、肝心の研究部分となると、文字が頭を通り過ぎて抜けて行く。
結局、2回読んでやっと理解できた。
愛菜ちゃん、恐るべし。

①ES細胞  ヒトの受精卵をバラバラにし培養して作るため、倫理的問題点が残る。
②iPS細胞  体細胞(皮膚・毛髪など)を培養し、4つの遺伝子を加える事で作り出す。
      安価で簡便。しかし、その手軽さ故に本来の目的である難病治療や創薬以外に
      悪用される可能性が否定できない。
      例えば、特定のヒトのDNAが欲しければ毛髪1本で盗み取ることも可能だろう。
      山中先生いわく「僕は研究者なので、1人でも多く難病の患者さんを救うために
      一生懸命研究している。が、同時に医療に携わる者たちのモラルが大切だ」

2つは双子の様に酷似しているが、
実用化は、手軽さ・経費面・倫理面で、iPS細胞の方が断然に優位。


2つの細胞に共通する弱点は、
基本細胞が患者本人のもの以外だと免疫拒絶反応がおこる恐れがある点。
必要になってから細胞採取して培養を始めたのでは、治療に間に合わない。
だからと言って、事前に一人ひとりのiPS細胞を作って準備しておく事は不可能。
処が、なんとこれにも解決策がある。

iPS細胞ストック(HLA型ホモ) 
ヒトは、両親からそれぞれ1つづつの別のHLA型を受け継いで生まれる。
しかし、中には両親から同じ型を受け継いだヒトがいる。
このヒトの体細胞から作ったiPS細胞は、他人の体に貼り付けても免疫拒絶反応が起きないのだと。
しかも、HLA型ホモのヒト140人で90%の日本人をカバー出来るのだ。
効率よくHLA型ホモのヒトを見つけ出す方法は、出産の時の臍帯血。
臍帯血は、白血病など血液の治療に使えると言う。
そういえば、娘を出産した病院の壁に「臍帯血を協力ください」とのポスターが貼られていた。
まさか、この私がそんな希少キャリアとも思えないが。

「医学は、日進月歩の時代は終わり秒針で進んでいる。
不幸にも癌になってしまったら、1日も長く生きなさい。
昨日には無かった治療法が、明日には見つかるかもしれないから」
と、かつて有名な癌医が言った。
当時、すい臓がんを発症した友人は、時を待つ事が出来ず逝ってしまった。

iPS細胞は体細胞の主が何歳であっても、初期化した細胞が出来る。
つまり、生まれたてのゼロ歳ベビーの細胞を作り出すのだ。
夢の様な話が、今や現実となった。
近未来、病気では死なない時代が来るのだろうか。
だとすれば、それはどんな人間(じんかん=世間・世の中)になるのだろう。

日頃、自分がたった1個の細胞からこの世へ生まれ出た事を思う事はない。
この本を読んでいると、いっとき、 自分という一つの生命体が俯瞰して見える。

山中先生、素晴らしい研究を有難う。

池井戸潤 「七つの会議」

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半沢直樹で名を馳せた直木賞作家・池井戸潤の作品だ。

大手電機メーカーの下請け中小企業で、コストダウンを優先するあまり強度に問題があるネジを、認識のうえで納品していた。鉄道や航空機用シートに使われているネジだ。上層部の対応は、隠蔽し製品が廃品となるのを唯 待つと言うもの。業を煮やした社員の中に、内部告発に踏み切った者がいた。

そもそも、客は製品のパーツの信頼性を疑いもしない。企業を信頼すればこそ、商品を買う。企業の利潤追求が優先し、安全性が軽視されるとしたら、本当に怖い。社内の圧力に抗しサラリーマン人生を賭け内部告発した社員が、呟く。「後悔はしていない。どんな道にも、将来を開く扉はきっとあるはずだ。」

この重いテーマの小説を息もつかせず一気に読ませてしまうのは、さすが池井戸潤。

有川浩「植物図鑑」→献立ノート

「お嬢さん 良かったら僕を拾ってくれませんか?噛みません。 躾の出来たよい子です。」
ある日 妙齢の女性が、酔ったはずみで若い男性を拾ってしまう。
「ありえない、ありえない。」
思いつつ、ぐいぐい引き込まれてしまった。
有川浩の「植物図鑑」だ。

拾った子犬(青年)は、無類の野草好き 加えて料理上手。
休日には、ふたりで野草を摘み それを料理し楽しむ。
その上、ランチ弁当込み2人で10日間10000円の食費で遣り繰りしちゃう。
女の子にとっては、理想の彼氏だ。
しかし、私の反応は、そこにあらず。
自然を慈しみ 恵みを食し、食べる事を大切にする。
その質素で丁寧な日々のおくり方は素敵だ。

心機一転、献立ノートをつけてみた。これで、在庫管理が一目瞭然。
それを元に、その日の献立を考える。しごく、便利!しごく快適♪
噛まない躾のよい子犬ちゃん、有難う。

福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」

いやぁ、笑った~~~♪

本を探し公立図書館のサイトを渡り歩いたら「覚え違いタイトル集」に遭遇した。
「覚え違いタイトル集」とは本のタイトルがよくわからない、うろおぼえ等
図書館カウンターに問い合わせのあった覚え違いしやすいタイトル、著者名などをリストにしたもの。

誤→
田んぼの中にタガメがいる→『誰がために鐘は鳴る』ヘミングウェイ/著
生姜(しょうが)みたいな名前の人→姜尚中(かん さんじゅん)著書多数。
トコトコ公太郎→『とっとこハム太郎』河井リツ子/著
あでらんすの鐘→『あんでらすの鐘』澤田ふじ子/著 
おしっこもれちゃう→『もっちゃうもっちゃうもうもっちゃう』土屋富士夫/作・絵
『ぶるる』みたいな旅行ガイドの本→『るるぶ』シリーズ
「主婦の友」とかでよく見る名前が読めない人の本→奥薗壽子(おくぞの としこ)

以前からネット上で話題沸騰していたらしい。
今も、新しいネタが追加更新されている。
なぞなぞみたいなヒントで的確に本を探し出す司書さんって、凄いな!

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